総会・懇親会

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第45回総会懇親会 講演録

 

東京旭川会の第45回総会・懇親会では、旭川出身で有限会社オービタルエンジニアリング取締役社長の山口 耕司氏(西高31期)をお招きして『町工場の宇宙開発』と題してお話を伺いました。

「宇宙開発」というと、「遠い世界の話で自分には関係ない」と思われますが、日本のモノづくりの技術がロケットや人工衛星の製造に大きく貢献していることを、宇宙開発に伴うご自身の体験や裏話を交えおもしろく大変わかりやすくお話いただきました。(抄録は、会報「ななかまど」44号に掲載します。)

 

 旭川会に出席させていただいたのは初めてでございます。お呼びいただきまして大変にありがとうございます。

荒川次期会長に、面白い話をしろと言われたんですね。

そう言われても、中小企業の親父なので、あんまり面白い話ができるかどうかわからないんですけれども、やってみます。

 

 

 実家は、マルカツというデパートがあったと思いますが、その前に「ナカヤ」というお菓子屋さんがあって、向かいに「かめや」というレストランが昔、あったと思います。古い建物だったと思うんですがそこが実家でした。

旭川は18才まで、西高を卒業してこちらに来たわけですけれども、その頃は、自転車とかオートバイばかり乗って、夢はレーサーになることでした。

神奈川大学に入っても全く勉強しないで、オートバイばかり乗っていました。それで3回留年しました。もうすぐ8年というところで、やっと卒業できまして就職するわけですね。

 最初は自動車業界なんですが、当時はバブルも終わりかけで非常にヘッドハンティングが激しくて、まだ新卒なのにいろんな海外の会社から、ヘッドハンティングがあったんですね。たまたま、宇宙開発の仕事があるんだけど、ということで宇宙の仕事につきまして、富士通さんなんですが。当時、実は富士通は宇宙の技術はあんまりなくて、アメリカの、今のロッキードマーチンに行かせてもらって、ネジの締め方から、設計の仕方から教わりました。

当時アメリカは一大産業になって、大きな会社も小さな会社も非常に活発に宇宙産業を、日本は宇宙開発と言っていましたが、宇宙産業が活発でした。

日本もいずれそうなるのかなと思って、会社を辞めたのが32才ぐらいですね。そこから大変だったんですけれども、最初はですね、独立して田舎の会社にお金を入れていたんですね。自分の給料なんかを。ある時プロンターを買おうと思って100万円くれないかと言ったら、ないと言うんです。なぜないのか、調べてもらったら、総務部長が全部使い込んでいたんです。

私のお金もそうですけど、会社のお金もいっぱい使いこんでいて、全国紙にも載ったんですが、もう大事件です。

 一文なしで独立をするんですけれども、お金がなくてですね、資本金がないんですね。当時は3百万円ていう最低限のお金が必要でした。お金がなくて会社を作れないんですね。たまたま3百万円の証券があって、それをそのまま銀行に入れて会社を設立して今に至るわけです。当時3百万円なので、有限会社なんです。今は有限会社はなくなってしまったんですけども、未だにうちは有限会社なんですよ。なぜかというとですね、単に面倒くさかった。

 

 ずっと宇宙の仕事をずっとやっているわけです。現在、私はオービタルという会社と次世代宇宙システム技術研究組合というのをしています。なぜ二つやっているかというと、オービタルは、物を作る会社です。あくまでもやっぱり物を作りたいので、モノを作る会社としてオービタルを続けています。

ただですね、いろんなお金がかかるんですね。宇宙開発は。ちゃんと説明してお金を政府からもらってこなくてはならないんですね。

それの受け皿として技術研究組合というものを作っています。

技術研究組合というのはですね、経産省認可の団体なんですけれども、ちょっとパブリックに見えるので、割とお金を取りやすいっていうので、こちらは国のお金をとって仕事する組織です。

 オービタルの方は、いろんなわけのわかんない宇宙部品がいっぱいあって、これを説明しだすと日が暮れるので。こういう重要な部品や何か衛星も含めてですね、そういうものを作っています。

それから、宇宙って、すごい暑くて寒い。

 太陽があたるところは、雲一つないところに真夏の太陽以上のものがあたります。陽があたらないところはもう、寒いところです。なので、必ず衛星とか宇宙探査機っていうのは、ジャンパーを着ています。ジャンパーって暑いときは日差しを遮りますし、寒い時はもちろん熱が逃げないように守っています。

うちの会社が、このキラキラしている洋服を作っています。こういう黄色のキラキラしたフィルムをですね、何枚も重ねて、パートのおばさんがミシンで、1枚1枚手作りでオーダーメイドの洋服を作っています。こんな感じで、マジックテープで止めて、これがですね、今までは日本の宇宙開発って皆そうなんですけど、最初、大手さんが手を付けるんですけど、儲からないからって辞めていっちゃうんですね。今はですね、アジア圏では、うちだけしかこれを作れない。大変、美味しい仕事です。(笑)

 町工場というかですね、いろいろ開発をして、作って実験をして試験をして、ていうような感じで、作ってですね、こういう何かちょっと研究所っぽいところで、現在は三菱重工の本牧工場っていう、三菱重工さんは商売が下手なんで、工場が空いちゃったんですね。

 

 

 あえてそこにいろんなベンチャーさんが入れるようにしています。うちは20何年もやっていてベンチャーじゃないですけれども、パートナー企業という位置づけで、ベンチャーさんを支援するというような位置づけで、ここの場所にラボを借りて、いろんな会社と宇宙開発をしています。

 一般の見学、いろんな方も毎年何千人が見学に来られる。日本の中では唯一、一番大きなインキュベーションのラボになります。ぜひご興味ある方は来ていただければ。

 組合の方はですね、いろいろ今まで補助を受けてきたお金が、もうすぐ百億円に届くという微妙な楽しいプロジェクトをすることがいっぱいあります。

最初は、超小型衛星プロジェクトと書いてますけども、内閣府から最初、84億円パターンですね。ちょっと政権が代わってあげすぎって言われて、半分になって。4年間、小型衛星を作りました。一辺が50センチ角ぐらい。大体数十キロぐらいですね。今世界的に小型衛星が小型化していって、いっぱい上げるようになったんですけれども、どうやって小さな衛星を安く作っていくかということでやりました。

 日本はですね、いろんなものがすごくルールに縛られて、良くも悪くも過剰品質になってしまう。宇宙開発も一緒でですね、もう無限にお金がかかってくるんです。通常、ほどよし信頼性工学として、通称ほどよしプロジェクトというんですけども、ルールとか、もの作りのサプライチェーンを見直して、コメントし、安いもので、物を作れないかなということをやらせていただきました。プロジェクトワークが終わってからしばらくして、総理大臣賞をいただきました。どんなことが評価されたかと言うと、いろんな若い人たちが育った。それから企業が育った。宇宙開発のこの基盤を支える人たちが育ちました。そういうことが一番ですね。

 

 

 その他にもですね、キティちゃんの家を衛星に作りました。本当の宇宙で、何かエンタメ的なものをすると、サンリオさんがキティちゃんの誕生日の記念に宇宙にきて、この時ですね、皆さん知らないかもしれませんが、キティちゃんは40歳。あれから10年経って、今50歳ぐらいかな。(笑)ちなみに体重はリンゴ3個分です。

 それから、ハイビジョン動画を宇宙で、撮るには何十億ものお金がかかるんです。これを、コンピュターカメラを使い1万円ぐらいで実現しました。今のコンピューター、マイコンとかですねそういうカメラを使って宇宙開発のコストを百分の一にしようというのがこの時のプロジェクトです。

このとき、衛星を全部で5機作ったんですけれども、大樹町の駅舎を大樹町の町長に言って借りて、駅舎の横にパラボラアンテナを建てて、宇宙からも通信の受信というのもやれるようにしました。

 

 

 次は、まだやってるんですけども、光通信のプロジェクトというのも作りました。これは量子暗号通信というものです。

 なんでこんなことやってるかというと、安全保障上ちょっと難しい話になっちゃいますけど、安全な暗号通信というのをやらなきゃいけない。量子暗号、盗聴できない技術というのを開発しなくてはいけない。

 今までの大手1社では開発できない。何社も大手が手を組んで開発していかないと現実にならない。政府予算で、その中で誰かがプライムにならなくてはならない時にですね、どの大手さんが頭に立ってみた時に、頭に立つということは、全部情報が見えてしまうんで、なかなか日本の大手さんというのが仲良く手を組んで技術開発しようとはならないんですね。なんか消去法的にですね、山口さんは何もしがらみもないと、いきなり雇われママみたいに雇われるんですね。私は暗号の専門家でも通信の専門家でも光の専門家でもないんですよ。ないんですけど、雇われママとしてもう研究責任者。おかしいですよね、国の政策目標とか書いてあるのに、中小企業の親父を人身御供のように責任者にするんですね。

 先月、これが光通信の量子暗号装置というものですけども、地上のトラックに地上局というのを使って宇宙ステーションから光通信をやろうとしています。こんな機械ですね。宇宙ステーションというあんまり皆さんご存知ないかもしれないすけど、でっかいものが飛んでいます。大体地球から400キロのところを飛んでいます。日本は、ここなんですね。日本のモジュール。ここから実験をしようとしています。先月ですね、今一応ステーションに古川さんが滞在している。

 ほぼ同い年なんです。やっぱり、持っていったやつを宇宙ステーションにセットするんですね。ここから世界に出すんですけども、めちゃくちゃお金がかかったものが、無重力でグルグル回ったりですね。古川さんはやっぱり年を取っているから、手荒いというか、なんかもう、これ何十億もかかってるんですよ。もう怖くて見てられないですね。これリアルタイムで接続しながら、ああやってこうやってっていうんですけども、そこめくっちゃ駄目だって書いてあるんですけど、めくっちゃうんです。

 全然マニュアル読んでなくて。ネジ1個締めなくちゃならないんですけども、私と一緒でこんなんなってやっていてですね、それでも宇宙ステーションのクルーに選ばれるってすごいなと思います。彼は元々お医者さんなので、あんまりメカのことはわからないんですね。

 今はですね、今度、宇宙太陽光発電プロジェクトというのをしています。宇宙太陽光発電っていうのは、宇宙で太陽光発電をして地上にエネルギーを送ってやろうと。昔から話があるんですけども、永遠に予算のつかないプロジェクトなんですね。

 

 

 なぜかというと、宇宙に発電所を作るコストが高すぎてできない。ところがですね、この何十年もそういう検討が続いたんですけれども、最近、どうも、もうちょっといったら、ペイできそうだ。原発1機を作るんだったら、宇宙に1機作れそうだというワケなんです。

 月に基地を作ったりもするので、月でも同じことをする。ということで急遽プロジェクトが始まっています。今はまだ第1弾で、小さな衛星、200キロぐらいの衛星で実証をしようとしています。頑張って2キロ四方ぐらいの大きな太陽電池を宇宙に上げて、発電をしようというのが最終的な目標なんですが、それまでは生きていないだろうと思いながらやっているところです。

 

ダークマターが世の中を占めている?

 宇宙の仕事は何が楽しいかといったら、やっぱり二つ、宇宙っていうとやっぱり宇宙科学という話とですね。あと仕事としての楽しさ、二つある。宇宙科学と言ったときに、ですね。今までいろんな装置を作ってきたんですけれども、ハッブル宇宙望遠鏡という、宇宙にある天文台の望遠鏡の仕事にかかわったことがあるんです。宇宙というか、宇宙ってこの場も含むわけですけれども、みんなが目で見ているもの、これは宇宙の質量の中でたった5%しかないんです。ダークマターとかダークエナジーとか、SFに出てきたり漫画に出てきそうな話なんですが、それがほとんどで、実は、世の中をしめています。見えてないだけで、感じることもできないけど、そこにある。なんでかって言うとですね、これは宇宙の時間ですね。ここでビッグバンというのが起きて、宇宙が膨張していく。実はですね、なんか水蒸気も出てきていますけど世の中始まってですね、どっかで光が発生して、光の世界が始まるんですね。その前って何かというと真っ暗なんですよ。

 

 

 光というのはないんですね。これが大体、138億光年前。ハッブル宇宙望遠鏡の後継のプロジェクトに関わったんですけど、そのときのプロジェクトの名前がハッブルオリジンプローブ。オリジンプローブってどういう意味かといったら、やっぱり一生懸命、宇宙の遠くを見たらですね、過去が見えるわけですね。遠い宇宙ほど昔の光。だから、一生懸命すごい望遠鏡を作ったら、138億光年前を見ようとしている。これはめっちゃ興奮しますよね。

 なんか、タイムマシーンを作っているような。残念ながらそのプロジェクトは実現しなかったんですけども、今アメリカはジェームズウェブという、違う望遠鏡をあげて本当にここまで見ようと。ただ、光で見る限りですね。ここまでしか見えないんですね。

 

 この先を見たいっていう。日本の先生たちもすごくってですね、日本の宇宙物理学の先生たちもすごくてですね、カミオカンデとかいろんなものがありますけども、宇宙に宇宙版のカミオカンデを作ろうと、これも一緒にやります。JAXAのホームページとかそのソースを見てもらうと、訳わかんないですよ、書いてないんですよ。高エネルギー粒子観測所とかですね、ところがですね、その先生は一緒に仕事やってて、これはね、楽しいんだよ。ハッブルなんて所詮138億光年前しか見えないじゃないかと。我々が見ようとしているのはここだと。

 すごいですね。ここを見て観測すると、何がわかるんですか。さっき言ったダークマーカーとかダークエナジーとか、この時に作られているんですね。その名残を観測しようとしています。それが観測したら何がわかるんですか?

この先、宇宙が膨張し続けるか、縮むのか、それがわかる!

 ・・・はぁ・・わかりました・・みたいなね。絶対どうでもいいことなんですけども、そういうことを実は宇宙科学として日本は一生懸命。

 今もですね、宇宙ステーションで観測を彼と進めていまして、いずれノーベル賞かんなんかすごい賞を取るんじゃないかなと楽しみにしています。今度、商売ですね。さっき言ったように宇宙って上の方だけじゃなくてですね、空間全てそのものですね。なんで、実は宇宙と称して何をやってもいい。

 全部の領域どこの仕事をやってもそれは宇宙ですって言い訳ができるんです。会社の定款に宇宙の仕事と書いてあります。今はですね、とにかく仕事が困らないというか、仕事はいっぱい予算はジャブジャブ。なのに残念ながら経産省さんがですね産業育成してこなかったんですね。口が酸っぱくなるほど言ってたんですけどしなかったんですね。今はですね、予算はあるし、ブームとして盛り上がっているし、だけども、やってくれる人がいないっていう状況なんです。ぜひやりたいという人がいたらですね、ぜひコンサルとしてやらせていただきます。

 誰もやっぱりやったことないことを仕事にできる、非常に楽しい仕事です。

これが一番実は楽しいのかな。儲かる儲からないよりも、誰もやっていないことをやるのは楽しいなと思いますね。あと仕事と称していろんな所へ行けます。いろんな理由をつけてですね、いろんなところに行けるし、宇宙から地形を観測するセンサーのデータをキャリブレーションしなきゃいけないんだとか言いながらですね、観光地へ飛行機で失礼しました。そういう楽しさがあります、あとちょっと盛ってます。飲み屋さんでも、微妙なところはですね、超ヤクザですね。今、お金あるんですけど予算いっぱいあるんですけど、昔はピーピーなんですね。

 大学とか研究者とか予算がなくてもやりたいというのが、断れず、今でもそうですけども、やっぱり義理と人情で、商売をしなきゃいけないのを、持ち出すことも多いです。あと資金繰りに困るというのはですね、会社始めた頃、銀行さんは、宇宙の中小企業?何それみたいな胡散臭いんですね。絶対に金貸してくれないんです。今はだいぶ良くなりましたけれども、今でもなかなかやっぱり大丈夫なのかその会社、いうので困ることはあります。・・・なのですね、資金が余っている方がいらっしゃったら、ちゃんと回しますんで、騙されたと思って預けていただければと。宇宙今、いっぱいブームだし予算いっぱいあって、いいんですよって話しましたけど、みんな今、ベンチャーさん、衛星作ってロケットあげてビジネスしたい。

 他の地方もですね。県で航空宇宙やるんだ。うちの地域でこういう宇宙をやるんだ。衛星作りたいロケット作りたいと言うんですけど。よくそこでどうやって企業参入させるかという講演を頼まれるんですが、いつも言うのはですね、アメリカでゴールドラッシュのときに誰が一番儲かりますか?って聞くんですね。これは当然、金を掘っていた人だろうと思うかもしれないですけど、違うんですね。金を掘っている人たちに、服を売っていた、スコップを売っていた、幌馬車を売っていた。

 

 そういう会社が儲かったんですね。やっぱり金を掘って儲かった人も一部いたかもしれないですけど、それは非常に少なかったということです。一番有名なのはジーンズのリーバイスですね。そこが一番儲かったところ。あと、他にどんなことやってるのっていう山のようにあってあれなんです。実はですね、我々結構やってるモンゴルで、気球を上げています。気球を成層圏というところに上げてるんですけども、成層圏って何かっていうとですね、まず旅客機飛んでいるところは10キロくらいですね。

 30キロぐらいから上を成層圏というんですけども、成層圏気球というのはこの辺まで上がるんです。この辺って何かというとですね。地上の空気はここまで行けないんですね。で、ここの辺にあるなんかチリとかあるんですけども、それは地上から来たものではなくて、流れ星とかですね、宇宙から、来たものなんですね。皆さん聞いたことあるかどうかわかんないですけども、生命の源になるアミノ酸、タンパク質の前のアミノ酸アミノ酸がどうやって合成されたのか。

 何か海の中でガラガラポンしていたら、アミノ酸が偶然できました。と教えられてるかもしれないんですけども、やっぱり実は宇宙から来たんじゃないかという話なんですね、これは、あながち否定できない。誰も否定できないし、誰も証明してないし。わからない。それでですね、とある先生が気球を上げてここで塵を回収した。日本でやるとですねどうしても気球を上まで揚げて落とすと、海に落とさないといけない。なかなか大変なんで、モンゴルでやりましょうと。

 いうことで、定期的にモンゴルに行って揚げているんです。成層圏って30キロぐらいですけどこんな感じでほぼ宇宙なんですね。所さんの目がテンって番組で、日曜の朝7時からやっている番組なんですが、宇宙に行きたいと衛星もロケットのやることではないから、気球でやりましょう。何やったら面白いか。アミノ酸のさっきの話と、関係ないんですけど、それで、アジの干物を作ると、成層圏で。他にもですね、卵とかですね、大根とか、モンゴルのチーズとかですね。

 そういったものを、あとやっぱりビールですね。こういう実験をやって何回か再放送されているので、見た人がおられるかもしれない。これがですね、さっきの生命由来の話は忘れていただいて、大体3時間ぐらいで上がって干しているんです。その短い間で完璧な干物ができるんです。これはなぜかというと、やっぱり成層圏行くと紫外線がすごいですね。美味しさの成分ってやっぱアミノ酸、さっきの生命由来の話と全く切り離して欲しいんですけど、やっぱり紫外線が強いんで、ものすごい短時間でタンパク質が分解されてアミノ酸になるという感じですね。

 大根はちょっと固くなるんですね、豆腐は、水が抜けてですね、ここほぼ高度30キロで200分の数気圧です。ほぼ真空だからフリーズドライ、けども、高野豆腐みたいになるかなと思ったら、チュウヤ豆腐くらいになる。こんなこと年に何回かですね、コロナ前はこんな所に行って、何回も実は車スタックして遭難して死にそうになるんですけども、モンゴル軍に助けにきてもらったりしています。これもモンゴルで焼きそばUFO、焼きそばの日、8番UFOっていうのが、そのとき焼きそばUFOさんがなんかギネス記録を作って、この画面の女の子はVTuberの仮装も、女の方なんですけども、その人を乗せて宇宙に行って、ライブ配信の高度記録。

 あとモンゴルの若者たちですね。これもモンゴルの若者が作った大きな飛行機、4メーターぐらいなんです。私は子供の頃からラジコン飛行機が趣味なんで、飛ばすのが自信があるんですけども、行ったついでにですね、山口さん飛ばしてくださいって言って、待って、一緒に飛ばして、10秒ほどで落ちました。あとはですね、こんな飛行船型のものを作って、時間内に飛ばしますとか、こんなんですね。災害が起きたときに、東北の震災なんかで、いろんな防衛が倒れちゃって通信手段がなくなってしまうというのが目に見えているので、そういうときにあげて、衛星の通信中継をしよう。いうようなことをもやっています。福島の相馬なんですけど、この辺一帯はみんな流された所です。

 メガソーラーの辺も全部、なくなったんですね。今ここでロボットテストフィールドというのを福島県が作っていまして、いろんなロボットの実験とか、ドローンの実験とか。これはうちの会社ではなくて一緒にやっている会社ですけども、無人機や水上飛行機、それを専門にやっている会社です。これ私の自宅の部屋、こんな汚いんですけど、これドローン飛ばしてですね、今、AIでドローンが撮った画像の物体認識。

 テレビモニターですとか、もう勝手に認識する。汚い部屋なんですけど、これが普段、ほぼ一日いて仕事をしている場所です。ちょっと町工場とは違いますよね。

 あとはですね、京都の醍醐寺さんっていう、秀吉が花見をして、有名なお寺なんです。醍醐寺さんですね。宇宙にお寺を作ろうと。京都にプラスペースっていう会社を作りまして、今、ちっちゃな衛星に大日如来さんなんか乗せてですね。宇宙に作ると、みんな世界中どこからでも拝めますっていうのをやろうとしてます。

 醍醐寺さんはですね、宇宙法要というのもやっています。毎月毎月宇宙から世界の平和を願いましょう。いうようなことも。まだこれの衛星はあげてないんですけども来年あたりあげようとしています。あとはですね、うちの従業員で宇宙エレベーター大好きな人がいて、宇宙エレベーターって聞いたことあるかどうかわかんないんですけども、宇宙までエレベーターを作りましょうと。ロケットじゃなくて、ずっと上がっていって宇宙に行けるようにしましょう。これは夢があって非常にいい話なんですけども、なかなかですね、地政学的には難しい。

 やっぱり島一つで、やっぱり国際紛争が起きてしまうので、日本がこの技術で上げたとしても、宇宙に道を作ってしまいましたということになると、まずすぐ壊されてしまうでしょう。なかなか世界が平和にならないと実現しないかな。何年か後に、できるといいなという気がします。もうそろそろ時間なんで、あれなんですけど、これ宇宙エレベーターの映像ですね。そうは言ってもですね、宇宙って何百キロもあるんで何百キロもエレベーターに乗るのも大変な話ですね。

 

 最後にですね、ぜひこういうお話をさせていただく機会を得たんで、一つだけ真面目な話をしたいと思います。

 我々ずっと宇宙開発とかロボットとかどう向き合ってきたけども、3.11の震災のときに、何ができたか。何もできなかったんですね。やっぱりエンジニアとしてはですね、非常に歯がゆい思いをします。何かできることがないのかな。いうことで活動をしています。これ、あんまり出てきそうで出てこないんですけども。災害が起きて72時間しか人の命はなかなか持たない。震災のときはですね、DMATとか、自衛隊の先遣隊というのが1日24時間以内に入ったんですけども、捜索に時間がかかって、実際の救援というのは48時間後ぐらいからしかできなかったんですね。

 実は72時間の生存率って、そんなにあったかというと、残念ながら東北の震災のときはなかったんですね。もう60時間ぐらいまでしか。いっぱい雨も降っていたし、寒かったし、できなかったんですね。というので、非常にその生存率が低い時期に救出された。もっと早い段階で救出が始まっていれば、実はもっとこれは実際救出された訳なんですけども、これをもっと前倒しできたら、もっといっぱい助けられた。

 これをやるために何をしなきゃいけないか。我々は今、IoT、IoTって言いますけども、みんなの田舎、自宅、ばあちゃんの家、裏の崖にはついてないんですね。そこにいっぱいいろんなセンサーがあったら、実は被害をいっぱい受けている場所っていうのがわかるように、なぜみんなの所についてないかというと高いからですね。高いし、それが大手の中央の商売になっているから、田舎にはつかない。地方でできるようなものを作って自分たちでやれればですね、いいなというので、高校生・大学生ぐらいであれば作れるようなモジュールを開発して、設置して実験をする。

 主にこれ和歌山とかですね九州の人吉ですね。ああいうとこでだいぶ実験をやりました。国が設置する例えば水位計など、北海道もあったと思いますけども水位計が高くて、川の水位計ですね。1ヶ所しかついていない。なんかすごい値が出ているから見に行って、流されて、亡くなってしまう。毎年、何年かにいっぺん、必ず起きる事故なんですけれども。じゃあ、ミニマム500万する今の水位計を、我々は3万円で作る。10個つけておけばいいじゃないですか。これがなかなかそうならないんですけども、そういう活動ですね。

 文句を言いながら総務省のお金を使って、実験をしていたりします。ぜひこういうのもですね、これ一番、実は、興味持たないのは北海道ですね。次に興味持たないのは福島県なんですね。もうしばらく災害が来ないと思っている。その辺のやっぱり紀伊半島とかですね、九州の人たちっていうのは、もう非常に最大にやっぱりセンシティブになっていて、自分たちでやろうというところです。

 

 

 

(司会)はい。大体今日は以上になります。よろしいでしょうか?どうもありがとうございます。

何か簡単なご質問で結構です。いらっしゃいますか。

 

(Q1.)ご講演ありがとうございました。専門では私達はないですが、何か私達で宇宙事業を応援できることとか、専門ではないですが、何か一緒に盛り上げられることとか、普段からこういうことができるといいなとか、してほしいなっていう応援はありますか?

 

(A1.)子供たちの宇宙教育ですね。今の学校教育ってやっぱり学校で失敗させないことをやってるんで、一緒にロケットを作ったり衛星作ってうまく動かなくて泣くっていう。宇宙甲子園っていうのをやっています。缶サット甲子園、ロケット甲子園、気球甲子園っていうのを仲間たちとやっています。地方大会があって、全国大会があって、やってるんです。けれども、スポンサーさんが集めるのがなかなか大変で、前はね、やっぱり大手さんどんどんお金くれてたんですが、だんだん難しくなってきました。やっぱりお金がないとやれないですね。そういうところにですね、ちょっとずつでも、次の世代を育てるというところに、お金が集められることに努力していただきなと思います。

そういった素敵なことを、事業やスポンサーという形じゃなくても、皆さんが知っているクラウドファンディングとか、そういう方が運営の方にお繋ぎするとか、それも応援になりますか?

 そうですね。はい。はい、わかりました、ぜひぜひ。はい。ちなみに私が審査員や監査と後進と高校生がベースを作るっていうその審査委員長山崎直子さんです。

 大体2人で、山崎直子さんと温泉に泊まって審査をしてるんですね。山崎直子ファンにはたまらないという特典がつきます。

 

(司会)他にいらっしゃいますか。ないですか。

 

(Q2.)僕の方でもう一つだけ質問させてください。山口さんはですね、どのぐらいの時間がかかればですね、一般の人ですよ、特別にお金の数億円とか数十億円とか払わなくても、一般の我々が宇宙に行けるようになるのは何年先ぐらいですかね。

 

(A2.)いや、もう行き始めていますね。あのバージンとか、あれ日本人でやっぱり友人の南くんというのが、20年前に2000万あってつけたんですね。20年間ぐらいで飛びますね20年近く経っています。今もうだいぶ値段上がったと思いますけども。お金的には必要ですけど技術的には行ける。あと北海道の気球のベンチャーですね。さっき言ったように、宇宙まで行かないんですけれども、宇宙に近いところまで気球で上がるというビジネスをやり始めて、それは非常にもうリーズナブルに技術的に行けると思いますけど温泉の方がいいと思いますよ。

 

(司会)ありがとうございます。それでは皆さん本当にご清聴感謝しております。ありがとうございました。

 

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